1年前に発売されたテオティワカンの拡張が出ました。
先古典期とは中央アメリカの古代文明の時代区分のようで、古典期に先だった時期で先古典期、その後期と言う感じでしょうか。テオティワカン文明においては開始のころの時期なので、テオティワカンの発展期になりますかね。
- 発売年:2019年
- プレイ人数:1人~4人
- プレイ時間:90分~120分
テオティワカンの本体の紹介は以下。
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【ボードゲーム紹介】テオティワカン:シティ・オブ・ゴッズ 古代メキシコでピラミッド作り
テオティワカンのピラミッド建設に貢献してポイントを稼ぎ勝利を目指そうというゲームです。 テオティワカンとは、メキシコの首都メキシコシティ北東約50キロの地点にあり、紀元前2世紀から6世紀まで繁栄し ...
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今回の拡張の主な特徴は以下の通りです。
- 司祭タイルの追加
- オレンジの新しい神殿と礼拝所
- ピラミッド装飾タイルの設置アクションの改善
- ピラミッド建設アクションの改善
- 時期タイル
今回の拡張の目玉は司祭タイルでしょう。まず以下で司祭タイルの詳細をご紹介します。
司祭タイル
司祭タイルは10枚あり開始時にランダムに2枚配られてその内1枚を選びます。司祭タイルはゲームを通じてプレイヤーにメリットとデメリットをもたらします。
司祭タイルは結構強弱があるように思いますが、総じてメリットが強ければデメリットも大きくなっています。物によっては、他プレイヤーと全く違ったゲーム方針を取らねばならないものもあります。
※司祭の評価はあくまでJamesの私見。最高☆5→最低☆1でつけています。数回やっただけでの感想ですから、結構外しているかもしれません。ご容赦を。
ケツァルコアトル
【評価:】
人気のない仮面収集に特化する司祭。他プレイヤーと被ることが少ないと思われるので、我が道を邪魔されずに行くのはそれ程難しくないと思う。
とは言え、ここまでやっても仮面はコスパ悪い。発見タイルを狙って取るには主に礼拝に行くしかないが、ダイスをレベルアップできないし、ロックされてしまうのは辛い。他プレイヤーに昇天で置いて行かれるのが目に見えている。
しかも、このために設定されたデメリットが仮面以外の発見タイルが取れないというのはちょっと痛すぎないか。
この司祭で、点数を上げるためにはオレンジの神殿を上げるのが必須でしょう。「礼拝で上下やるのにカカオ不要」や「発見タイル取得時に任意資源+1」は早めに取りたい。出来れば1回目の日食の前までに、「仮面の数+1」を取っておきたいが、難しいかな。。。
後、1,2枚しかない仮面を抑えられると即死なので、それは絶対死守。言い換えると他プレイヤーからすると邪魔は結構容易。
トラロック
【評価:】
最強の司祭の一人。とにかく資源が無ければ何もできないので、2,3,4のアクションは必須。4人プレイではここに労働者が居ないことはまずないので、能力の発動はほぼ常時。
資源の獲得量が増えるのも有り難いが、レベルアップ2回がやりやすいのも非常にお得。
6,8で資源が1個余分に必要なデメリットもメリットに比べれば非常に軽い。「2,3,4で資源獲得時に追加+1」の秘術を取っておけばほぼチャラだし。
チャルチウィトリクエ
【評価:】
最強の司祭その2。4人でゲームをやれば、やりたいアクションボードには他の労働者が居ないなんてことは殆ど無く、デメリットを感じることは殆ど無いだろう。
逆に人気のアクションには労働者がいっぱい溜まっているだろうからどの場合でも1個で良いのは、トータルでカカオを多く節約できるし、非常にアクションの計画が立てやすい。複数ダイスを集めてのアクションも気兼ねなく出来る。
少ない人数でゲームをやる場合は、あまりメリットが感じられないかもしれないが。
オキソモコ
【評価:】
場所が限定ではあるがメリットがあり、デメリットが無いのは、少なくとも素の状態より、強くなっている。その強さを強調できるか、埋もれてしまうかはプレイ次第だとは思うけれど。
シペ・トテック
【評価:】
礼拝を使用しないとメリットが生きない司祭。とは言え、行けばレベルアップできないしロックされるし、やりすぎると、レベルアップアクションをやっている他プレイヤーにどんどん置いて行かれる。
手番を消費しないで解放するのに1体の場合だけ標準より少ないがそれ以外は不利なので、結局得したカカオを吐き出すことになってしまう。1体の時も良くてプラマイゼロだし。
実は、能力は無視してやった方が良くなるのか?
ショロトル
【評価:】
昇天はまあ4,5回と言うところでしょうか。5回とすると、メリットはカカオ25個。神殿の前進はそこまでは無いのでトータルではメリットが多いと思われる。
これを取ったら礼拝などは行かないでひたすらダイスレベルアップしないと行けないかなあ。
エエカトル
【評価:】
このゲーム労働者の移動制限は結構辛いので、1歩余分に歩けるのは非常に助かる。またコストは高い物の任意のアクションに移動できるのはいざと言うときの決め手になる。非常に大きなメリットだと思う。
ただ、カカオ獲得が1個少ないのは地味に辛いかな。まあそのくらいと言えばそのくらいだけど。
トナカシワトル
【評価:】
初期資源を最初に4つあるとスタートダッシュですごく有利になるけれど、ゲームの途中でもらってもちょっと微妙なメリット。日食の後なので日食時のカカオ払いにも使えないし。まあ、バニラよりは良いかというレベル。
またデメリットも若干微妙。地味に面倒臭いので、やっぱりマイナスの方が大きいかな。
ウィチロポチトリ
【評価:】
能力的にはバニラ。点を取るアクションをすればするほど有利になる。大体ゲームで+40勝利点くらいのアドバンテージだと思う。それにしては、デメリットの給料がカカオ+1は厳しすぎるのではないかな。
3回の日食で余分のカカオを払えない場合、-36勝利点のハンデ。ということでまあトントンの司祭?
ショチピルリ
【評価:】
全ての秘術を取るとして、メリットは(6金+秘術が取りやすい)ということ。それに比べてデメリットがきつすぎないか。
礼拝できない神殿で発見タイルを取れないと言うことは、実質的に発見タイルが取れるのは、死者の大通りの2枚しかない。ちょっとメリットとデメリットのバランスが取れていないように思う。
これを取ったら全力で早期に秘術を取って、それを活用して得点を取るしかないか。
その他の機能
新しい神殿と礼拝所
新しいオレンジ色の神殿と礼拝所ができました。
神殿のレベルを上げると、秘術的なメリットが得られます。
新しい神殿は他の3つにくらべ発見タイルに無いだけレベルを上げにくいので、レベルアップ効果は他の神殿より強めに設定されていると思います。ここを頑張ってゲームを進めてみるのもありかも。
ピラミッド装飾タイルの設置アクションの改善
木・石・金の獲得エリアと同じような。ダイスの数と目でアクションの強さが変わる改善がなされました。
前はダイスの個数だけでしたが、今回、ダイスの目次第でもアクションを強くできるので、プレイの幅は増えていると思います。
ピラミッド建設アクションの改善
ピラミッド修飾タイルと同様に、ピラミッド建設アクションでも、ダイスの数と目でアクションの強さが変わる改善がなされました。
でも建設アクションが相当厳しくなった感じです。ピラミッドの1段目や2段目はバリエーションが増えてより自由度が増えている感じですが、問題は3段目、4段目がダイスの目が4か5でないとできないこと。
ピラミッド建設は終盤になると1度に複数建設したくなると思うのですが、うまく4,5の目のダイスを複数そこに集めるのは結構面倒だと思います。
「ピラミッド建設アクション時に仮想労働者が使える」秘術や、「6,7,8のエリアで仮想労働者を使える」発見タイルの重要度がより増しますね。
時期タイル
日食までの間、プレイヤー全部に影響する、環境条件を設定するタイルです。
割とプラス効果が多いので、使用してあまり損はないオプションかと思います。
とは言え、1~3の移動数が2~4になるタイルはちょっと要注意。行きたいところが4マス目より隣と言うのが結構あるんですよね。直前まで失念していて、やろうとして気づいた時の焦りと言ったら。
感想
このゲームはランダム要素が殆どないいわゆるガチゲーの部類ですが、今回の拡張で「司祭」という要素が導入され、プレイヤーごとに異なるメリット・デメリットを付加することが出来るようになりました。
これによりプレイヤーにより異なる勝ち筋を見出せるようになっています。
また、アクションの統一性が良くなったところも改善ポイントです。
要素モリモリでガチであることは変わりなく、プレイ時間も結構かかるので、まだまだプレイヤーを選ぶとは思いますが、面白いギミックが満載で大変魅力のあるゲームだと思います。