北アメリカには渡り鳥のように季節とともに大移動する、オオカバマダラ(Monarch)という蝶がいます。
このゲームは、このオオカバマダラになって、北アメリカを移動してポイントを獲得していくゲームです。
マリポーサとはスペイン語で「蝶」のことです。
デザイナーはWingspanで一躍有名になった、エリザベス・ハーグレーブさんです。
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- 発売年:2020年
- プレイヤー人数:2人~5人
- プレイ時間:45分~75分
オオカバマダラってどんな蝶
オオカバマダラはメキシコ(このゲームではミチョアカン州)で越冬し、渡り鳥のように春に一斉に北上を開始し、夏にはカナダにまで到達します。そして秋になると南下して、またメキシコまで戻って行きます。
北上するときは最初から最後まで同じ蝶ではなく、途中で繁殖しながら第3世代や第4世代がゴール地点に到達することになります。
幼虫は北アメリカ中に生えているトウワタ(Milkweed)という木の葉を食べて育ち、世代交代をして行きます。
南下の時は一つの世代でゴールまで行きます。
ゲームの概要
このゲームの主人公は蝶。ゲームの駒も蝶です。
ゲームボードのデザインは非常に特徴的です。
メインのマップは北アメリカの東半分。南はメキシコのミチョアカン州から、北はカナダのケベックまで。東はニューヨーク、ボストンなどの東海岸から、西はエルパソ、アマリロなどのロッキー山脈のふもとまで。さすがに蝶はロッキー山脈を越えて東西には移動できないようです。
マップのヘックスのエリアで区切られており、各エリアにはそこで蝶が採取できる蜜を出す花が描かれています。
毎手番ごとに蝶が移動して行き、花トークンをとり、それを使って繁殖し、ゴールとなる地点を目指します。
ゲームは、春・夏・秋の3つの季節フェーズに分かれており、各季節の最後に得点が計算されます。
主に季節の終わりの時点で、蝶が到達したエリアによって得点を獲得します。
春は4ターン、夏は5ターン、秋は6ターンの手番を行い、最終的に最もポイントを取ったプレイヤーが勝利します。
手番の流れ
手番の流れはそれほど選択肢のあるものではありません。主に1枚のカードをアクションし、できれば繁殖するという感じです。
①アクション
2枚のアクションカード手札の内の1枚をプレイします。2枚しか選択肢がないので、できることは限られています。
アクションは、蝶の移動を行うものだけです。1枚のアクションカードで記載されている複数の移動が行えます。移動が終了した地点で、その場所に記載されている花トークンがもらえます。
アトランタなどの都市に到着したら、花のダイスを振って出た目の花トークンがもらえます。
また、最初に到着したプレイヤーは伏せられているトークンをめくります。これがライフサイクルカードに対応するトークンであった場合、対応するライフサイクルカードがもらえます。矢印が描かれているトークンであれば対応するボーナス移動カードがもらえます。これらのカードがもらえるのは一度だけです。
その後他のプレイヤーもその場所に行ったら、花ダイスでの花トークンと、一度だけカードがもらえます。
②繁殖
マップのエリアの交点にトウワタの絵が記載されている場所があります。そのトウワタにくっついたエリアにおいて、世代に対応する花トークンを消費して、その場所に次世代の蝶を生むことが出来ます。
必要な花トークンは2世代目では、同じ種類のものが2個か、どれでも3個。世代が上がるにつれ、必要なトークンは1個ずつ多くなっていきます。
③手札補充
アクションカードが2枚になるようにカードを引きます。
2枚しか持てないため、同じカードや再利用のカードだけになった場合は、1~2枚引きなおすことが出来ます。
主な得点源
①季節ごとのゴール
季節ごとのゴールカードの条件をクリアすれば点数がもらえます。
条件とは、蝶がXX市より北の特定の色のエリアにいるとか、XX市の周りにいるとかなどです。
②ミチョアカン州への帰還
秋の終わりにミチョアカン州(スタート地点)に帰ってきた第4世代の蝶の数により勝利点がもらえます。多く帰還できればゲームを逆転できるのに十分な点数が得られます。
③ライフサイクルカード
特定の色のライフサイクルカードを卵・幼虫・蛹・成虫の4種類集めたら、ボーナスポイントがもらえます。
カードも1枚1点になるので、そんなに多い点数ではないですが最終的にこれが順位を決めるポイントになったりします。
やってみて
手番では2枚のアクションカードから1枚選択するだけなので、結構選択肢は少ないです。この選択肢を、その後来そうなカードまで予測して、ゴールをクリアするのに最適な選択肢を考えていくのがこのゲームの面白さかと思います。
全てのゴールをクリアしようとするのは難しいです。特に、秋においてミチョアカン州に戻す蝶と、秋のゴールを狙う蝶をどう分けるかは悩むところです。まあ、基本ミチョアカンに行ける蝶は行った方がよいと思いますが。
また、夏のゴールで北に行き過ぎると、秋が6ターンあるとは言え、ミチョアカンに戻るのは非常に難しいです。ケベックやウィニペグまで行っちゃうと絶対に無理ですね。
ですので、夏のゴールが北の都市まで行くものだと、最後のミチョアカンに戻るのを考えて、どれくらいを夏のゴールで達成させるか、ゲーム全体を考えて組み立てる必要があり、結構悩ましかったです。
基本的に人のじゃまはできません。なのでソロプレイと言えばそうなのですが、盤上で蝶がワサワサしているので、結構みんなでワイワイ言ってできるゲームであり、あまりソロプレイ感はありませんでした。
コンポーネントも綺麗だし、インストも結構簡単で、買って損はないゲームかと思います。