DUNE(砂の惑星)とは
DONE(砂の惑星)は、フランク・ハーバートが1965に発表したSF小説です。
舞台となる惑星アラキスは星全体が砂漠であり通常では見向きもされないような星ですが、この星でのみ産出されるメランジ(スパイス)が星間航行に必須であり、宇宙で最も重要な惑星になっています。
この星で勢力争いをしているアトレイデ家とハルコンネン家を主軸に、宇宙を支配している帝国の皇帝や女子修道会の「ベネ・ゲセリット」、宇宙航行を一手に独占するスペースギルド、砂漠の民であるフレーメンが複雑に絡みあい非常に魅力的本格的なSF小説となっています。
日本語訳はハヤカワ文庫から出ており、挿絵は石ノ森章太郎先生が担当されていました。
このシリーズ筆者は夢中になって読んだものです。
物語開始早々、主人公ポール・アトレイデの父が殺害されてしまい、アトレイデ家は没落します。
ポールは母のジェシカと共にフレーメンの中に潜んでゲリラ戦を行い、ポールはその中で未来を見通すことができる「クイサッツ・ハデラッハ」に覚醒し、ハルコンネンを打倒することに成功します。
しかしながら、その後、未来を見通す力はポールを苦しめて行くことになります。
DONE(砂の惑星)は1984年に映画化されました。この秋に2回目の映画化がされ公開されますので非常に楽しみです。
ゲームの特長
このゲームの最大の特長は、デッキ構築+ワーカープレイスメントというところです。
ワーカーの配置場所がカードで制限されます。
ゲームボードのアクションエリアはいくつかのエリアグループに分かれ、そのエリアにワーカーを置くためには、そのエリアのアイコンを持つカードを同時にプレイする必要があります。
場所が空いていても対応するカードが手札に無いと置けないというのは結構厳しいです。
デッキ構築+ワーカープレイスメントのゲームとしては他に「Lost Ruins of ARNAK」があります。あちらはワーカープレイスを配置するためのコストをカードでコントロールするシステムです。
ゲームの概要
ラウンドの概要
ラウンドは以下の5フェーズからなります。
- ラウンドスタート
- プレイヤーターン
- 戦争
- 産出
- 回収
①ラウンドスタート
紛争デッキから紛争カードをセットします。
紛争カードには③戦闘での褒賞が記載されています。
紛争デッキは10枚あり、ラウンドごとに1枚使われるので、10ラウンドでゲームは終了します。
②プレイヤーターン
このゲームの主体となるフェーズで、エージェントターンと公開ターンの2種類のアクションがあります。
エージェントターンではカードをプレイして、カードのエージェントアイコンに合ったエリアにワーカーであるエージェントを配置してその場所のアクションを行います。同時にカードのエージェントボックスに描かれたアクションも行います。
エージェントを配置できるのは、プレイするカードのエージェントアイコンにあるエリアにのみです。これは結構厳しい縛りです。
この時、剣が交差するアイコン(戦闘)のあるエリアでアクションを行う場合、紛争エリアに戦力キューブを配置できます。
エージェントは最初2個、最大でも3個なので1ラウンドのアクション手番はそう多くはありません。
エージェントが無くなったりこれ以上エージェントターンをやりたくない場合、残りのカードを公開して公開ターンを行います。
公開ターンではカードの公開ボックスの勧誘ポイントを使って新たなカードを取得します。また戦力ポイントで紛争エリアの戦力を増やしたりもできます。その後、このラウンドパスとなります。
③戦争
全員がパスしたら、戦争の解決を行い、戦力の順位により褒賞が得られます。
戦争は勝たなくてもマイナス要素はなく、上位の方にメリットがあるだけです。
戦闘フェーズではその時点での紛争エリアの戦力の大小を比較するだけです。
戦力はプレイヤー・ターンの間に紛争エリアに送られたものに陰謀カードによるものを加えて、戦力の順位によって褒賞が得られます。
④産出
スパイスの出る砂漠エリアにエージェントが置かれない場合、ジラウンドに追加のスパイスを置きます。
⑤回収
エージェントなどを回収します。
エージェントターンの配置エリア
エージェントターンでの配置エリアグループは7種類あり、その内、4カ所が派閥エリアです。
①帝国の皇帝エリア(派閥)
帝国の皇帝に影響力を高めるエリアです。
お金(ソラリス)を得るアクションが主体になります。
②スペースギルド(派閥)
宇宙航行を独占している宇宙ギルドへの影響力を高めるエリアです。
メランジ(スパイス)を大量に使用することにより一気に大戦力を紛争エリアに送れます。
③ベネ・ゲセリット(派閥)
女子修道会であるベネ・ゲセリットへの影響力を高めるエリアです。
陰謀カードを得たり、カードの回転を強化できます。
④フレーメン(派閥)
デューンの原住民であるフレーメンへの影響力を高めるエリアです。
水を獲得できる数少ないエリアであり戦力を得て紛争エリアに送ることのできるエリアです。水はメランジを得るのに必須です。
⑤砂漠と大規模商業組織
砂漠では非常に貴重なメランジ(スパイス)を取得でき、商業組織に メランジを売ってお金(ソラリス)を得ることが出来ます。
⑥デューンの人口密集地
戦力を得て紛争エリアに送ることが出来ます。加えてカードを引いたり陰謀カードを引くことが出来ます。
⑦ランドスロード議会
お金(ソラリス)を払って、エージェントや戦力、カードを購入するための交渉力、臨時のエージェントなどを獲得できます。
ゲーム中に1回しか実行できないエリアがあり、ゲーム終盤ではこのアイコンを持ったカードの処理に困ることもあります。
陰謀カード
ゲームに味付けをしてくれる補助カードで、適切なポイントでアクションを消費せずにプレイできます。
プレイヤーターンにアクションを強化したり、戦争フェーズに戦力を強化したりすることが出来ます。
ゲームの終了条件
ラウンド終了時に、誰かが勝利点を10点以上取得していればゲーム終了となります。
その時点で最も勝利点を取得しているプレイヤーが勝利します。
誰も10点にならない場合、10ラウンド終了時に最も勝利点を保持しているプレイヤーの勝利となります。
勝利点の取得方法
①派閥への影響力を高める
派閥のエリアのアクションを行うと派閥への影響力を獲得できます。2影響力を得ると、1勝利点が得られます。
また、4影響力以上獲得して他のプレイヤーより影響力が多い場合、派閥と同盟関係になり1勝利点が得られます。
派閥は4つありますので、最大8勝利点獲得できます。
勝利のためには、最低でも1派閥、できれば2派閥と同盟を組みたいところです。
②戦闘で勝利する。
戦闘での褒賞として2回に1回くらい勝利点が褒賞となります。前中半では1勝利点、後半では2勝利点得られます。
勝利のためにはここで4勝利点くらい欲しいところです。
③カードでの取得
カードの中には勝利点が得られるものがあります。取得コストは
高いですが、勝利のためには2点くらいはこれで稼ぎたいところです。
④陰謀カード
陰謀カードの中には勝利点が得られるものがあります。枚数は少ないので、うまく得られればラッキーという感じです。
やってみて
ワーカープレイスメントですのでエージェント(ワーカー)を増やすのは非常に重要ですが、8金(ソラリス)も必要だし1ラウンドに1人しか追加アクションを実行できないので相当大変です。水→メランジ→ソラリスに換えてやるしかないのですが、競争率は高いです。
この意味では、手番の早い、初期資源の多いは非常に有利になるかと思います。
勝利のためには派閥への影響力を上げないといけないのですが、これがまた大変です。
初期デッキには派閥に配置できるアイコンは殆どないためカードを購入しなくてはならないのですが、市場に出てくる中から選ばなければならないので運の比率が大きくなってしまいます。もし狙っている派閥のカードがあったら、エージェントが残っていても公開ターンに行ってカードを確保することも必要でしょう。
戦争で勝利することも必要ですが、一度戦争に参加した戦力は取り除かれるのでそう何回も勝利することはできません。ここぞというところで確実に勝利できるよう準備をすることが必要です。
とにかく、最初は目当てのカードを購入するのは難しく、派閥でのアクションはなかなか思ったように行きません。ただ中盤以降になると資源が潤沢になって行き、一気にゲームは終息に向かいます。そのためにデッキの構成を如何に効率的なものにするかといことが重要になってきます。その意味ではデッキ構築ゲームが好きな方も十分楽しめるゲームだと思います。加えてワーカープレイスメントとしてのプレイヤー間の駆け引きも楽しめる。1ゲームで2度おいしい、非常に面白いゲームになっていると思います。