ウルは古代メソポタミアにあった都市で、現在のイラクの南部あたりにあります。
タバヌシとはシュメール語で建築の意味だそうです。
ゲームの概要
主となる資源は5色あるダイス。5箇所あるアクションエリアでプレイヤー人数により5~7個のダイスが置かれます。
5か所あるアクションエリアの1カ所で、ダイスを1個取り、建築などのそのエリアに設定されたアクションを2回行います。
エリアからダイスが無くなったらそのエリアの得点計算を行い、それが5回発生したらゲーム終了となり、最もVPの高いプレイヤーが勝利となります。
これだけ言うと単純に聞こえますが、色々な縛りがあって全く一筋縄に行かない非常に高難度のゲームです。
ゲームの手順
アクションを行うエリアは5つ。ダイスの目に応じて1から5までのエリアがあります。
- 1,2,3 : 建築エリアで、白・黄・茶の建物を建てることができます。
- 4 : 港エリアで、主にアクションを強化やアクションでのVP追加ができます。
- 5 : ジッグラト(神殿)エリアで、3カ所設定される条件タイルの条件の達成度に従ってVPが得られます。
手番ではまずそのエリアで資源となるダイスを1個取ります。そのダイスの目が次手番でのアクションを行うエリアとなります。
1,2,3エリアのアクション
白、黄、茶の建物を建てます。建物は1~3区画に建て同じ色の建物は隣接してはいけません。
建物を建てただけではVPにはならず。得点計算時に、建物の区画数合計×熟練トラック進行度が点になります。
建物を建てるにはまず計画タイルを置き、その後計画タイルを建物に置き換えます。人の計画タイル上にも建てられるので、計画タイルの配置損ということが起こりますが、3種類ある熟練トラックの同じ色のトラックをアップできる残念賞があります。
熟練トラックが上がらないとVPにはなりませんが、最終的には建物を建てるに越したことはありません。
またここでは、建物のそばに庭園を建てることができます。庭園は一度水域を置いてからでないとできないので結構タイルが必要です。
庭園があると建物の区画数が増える扱いであり、1個の庭園が複数の建物に連携することができるので、最終的にVPを拡大させる鍵となります。
4(港)エリアのアクション
アクションの強化やアクションでのVP追加が出来るエリアに所有権を置いたり、再利用可能なダイスである木箱などを確保できるエリアです。
VPも取ることは出来ますが、結構ショボいです。
5(ジッグラト)エリアのアクション
3箇所の得点条件のジッグラトタイルがあり、所有権マーカーを置いていきます。得点計算時に所有権マーカーを置いていて、タイルの条件を満たした度合いによりVPを取ることができます。
VPは最大でも15点くらいです。
ゲームの特長
ゲームの資源
主となる資源は5色あるダイスですが、他に金が使い捨てのワイルド資源としてあります。
また木箱タイルもあります。これはダイスの絵が描いてあり、裏返して使用することによりダイスと同じ資源を出すことが出来ます。木箱は表返すことにより再利用できます。
ダイスは基本1手番に1個しか取れないためこれだけではとてもゲームは回りません。金や木箱タイルをうまく活用してゲームを進めることが非常に重要になってきます。
次のアクションへの縛り
アクションエリアで取るダイスの目が次のアクションのエリアの番号になります。
ダイスは最初でも7個でゲーム進行につれどんどん減って行き、選択できるアクションの縛りは非常に大きくなってきます。
金を払えば好きなエリアに行けますが、大事なワイルド資源である金をそう簡単には使用できません。
建築への縛り
建築エリアの点数は、建築区画数×熟練トラックなので建物を建てるだけでは点数が上がりません。
計画タイルを設置して他のプレイヤーがそのタイル区画に建築すると熟練トラックを上げられますが、建物が建てられず痛しかゆしというところです。
やってみて
ゲームは3人でやりました。
やり始めて最初に思ったのは、ゲームの資源であるダイスが5カ所に6個ずつしかなく5回アクションエリアのダイスが無くなったら終了なので、3人で30手番、1人10手番20アクションやったら終了であり、取得できるダイスは10個だけなのに1回建築するのに3~6個もダイスが要るので、いったい何個の建物が建てられるのかなということでした。
加えて、一番最初に得点決済を起こした建築エリアでの点数が5点くらいだったので、これ全部やってもそんなに点数が行かないだろうなあとも思いました。(点数トラックは100点までありましたけれども。)
しかしやっていくうちに、都市カードや布告カードなど、達成したらVPが稼げるカードや、港エリアでのVP強化機能などで、中盤以降徐々に点数が増えていき、終盤では庭園を伴う建築も結構な点数をたたき出して、トップのプレイヤーは最終的に98点で勝利しました。勝利点トラックの数値も適切だったということですね。
やはりこのゲーム1回目でうまく回していくというのは非常に難しいです。基本的に運要素はなくアクション数は限られているので、1アクションの効率化度合いにより差がどんどん開いて行ってなかなか一発逆転を狙えるところもありません。
そういう意味ではプレイヤーを選ぶゲームのマゾゲームの1つではあると思いますが、仕組みを理解するにつれ面白味がじわっと分かってくる好ゲームだと思います。