- 発行年:2012年
- プレイ人数:2人~5人
- プレイ時間:90分~120分
ファラオの時代のエジプトで覇権を争いの戦争するゲームです。
勝利条件は、勝利ポイントを8個集めたプレイヤーが勝利すると言うことなのですが、基本勝利ポイントは戦闘して勝ったり、特定の領域を支配していることにより得られるので、通常の戦争ゲームよりは戦闘場面が多い展開になると思います。
当然ゲームによりますが、一般的に戦争ゲームは勢力が均衡してしまうと膠着状態になってお見合いが続く展開になることも多いのですが、このゲームは戦争が多くなるので派手な展開が好きな方には良いのではないでしょうか。
また、このゲームも結構収束性が良いです。全部で8ポイントですから通常は1ポイント取るのに相当手間がかかるのですが、ゲームが煮詰まってくると、まだみんな5ポイントくらいと油断していると、一気に3ポイント取られて負けになる展開も多いです。
ゲームの外観
このゲームで勝利ポイントを取る方法は大まかに以下の4通りのやり方があります。
- ①こちらから戦闘を始め、戦闘に勝った上で生き残る。
- シンプルですね、これ負けた時ペナルティが無いのがミソです。つまり勝った時のメリットしかなく、勝利時にもらえる1ポイントは勝利に必要なポイントの1/8で、1回取ったら減らない。となれば勝てる時には戦闘しないと損ということですね。また、防御側は勝っても何のメリットもありません。要地を守れはしますが、戦闘に勝つ褒章は一切ないのです。ですのでただ守りを硬くしてもゲームの勝利には近づかず、とにかく隙を見て攻撃するしかありません。
- ②神殿を占領する。
- 神殿を占領すると勝利ポイントを1点得ます。但し、神殿を奪われるとポイントも奪われます。加えて、神殿を2箇所占領していると、毎ラウンド1ポイント入ります。これは奪われない。ゲームの勝利にぐっと近づきますが、問題は兵士の数が全部で12個しかなく自分の本拠地も含めると3箇所は数的に維持しづらい。下手にやると全箇所ひん剥かれて、他のプレイヤーにやすやすとポイントを献上することになりかねません。2つの神殿を支配した後6ターン耐えれば勝ちですが、まあそううまくは行かないでしょうね。
- ③聖域で兵士を2体生贄に捧げる。
- 聖域は本拠地からオベリスクでワープして行ける場所です。ですがそこから出る道はありません。なので生贄のためだけに兵士を送りそこでサクって勝利ポイントを得ます。非道ですな。兵士のスタック制限は5体ですので、最大送って2ポイント稼ぐことが出来ます。当然邪魔をしようと他プレイヤーも送ってきて戦闘になるのでそううまくはいかないでしょうけど。
- ④その他
- ・ピラミッドをレベル4にする。
- ・勝利ポイントになるパワータイルを取る。
- 主ではありませんが、8ポイントの勝利のためには、ここもうまく狙っていかないといけません。
戦闘で勝つにせよ、神殿エリアを占領するにしても、戦力がものを言います。とは言え、このゲーム兵隊は全部で12体しかいません。直ぐに最大になってしまいます。ですので、戦力の質を上げるしかありません。それがパワータイルで、赤、白、青の3種類あり、レベルは各々1~4の4種類、各レベル4種類のパワータイルがありますので、全部で48種類のパワータイルがあって早い者勝ちです。
パワータイルも結構優劣ありますので、相手に先んじて優秀なパワータイルを確保して、優位を形成した上で、後はもっぱら戦闘に興じるというのが基本戦略となりますでしょうか。
ゲームの進め方
最初はマップの端っこの自分の本拠地から兵隊を展開して神殿や聖域を占領していきます。で、セットアップで既に自分の領地に全部で12体中の10体が配置されています。総兵力の80%以上が最初から出ているって、ちょっとこういうのは珍しいですよね。
兵隊数をそう増やせないのであちこちに展開するは難しいです。精々2か所、多くても3か所に的を絞って展開していく必要があります。
ラウンドの流れですが、1ラウンドは昼のフェーズと夜のフェーズからなります。メインは昼フェーズで、夜はクリーンナップです。
昼フェーズ
プレイヤーごとのボードに描いてあるピラミッドがアクションエリアです。プレイヤーはアクショントークンをピラミッドのアクションスペースに置いてアクションを実行します。アクショントークンは基本5個で、パワータイルで増やすことが出来ます。
アクションの種類
昼に出来るアクションは以下の通り。
- ①アンクを2増加
- アンクはこのゲームの唯一のリソースです。このアクションはそのリソースを増やします。
- ②兵隊を作成
- 1アンク消費するごとに1体の兵隊を場に出すことができます。
- ③ピラミッドのレベルを上げる
- 上げるレベル数のアンクを払ってピラミッドのレベルを上げます。ピラミッドがレベル4になったら1勝利ポイントもらえますが、そちらはおまけで、パワータイルを獲得する際にピラミッドのレベルまでのパワータイルしか取れませんので、より強いパワータイルを取るために、なるべく早くピラミッドのレベルを上げる必要があるわけです。
- ④タイルを購入(白、赤、青)
- レベル分のアンクを払ってパワータイルを取ります。レベル1は1種類2枚ありますが、レベル2以降は1種類1枚しかなくて早い者勝ち。タイルは白赤青の3種類あって、同じ色のピラミッドのレベルまでのタイルを購入できます。タイルの中にはクリーチャーを得るパワーもあって、タイルを取ると。本拠地に出現させて部隊と共に行動して、部隊の能力を上げてくれます。
- ⑤移動と戦闘
- 初期は移動力=1。パワータイルや神性介入カードで移動力を増やせます。オベリスクを使えば自分の本拠地からオベリスク間のワープができます。移動後、同じエリアに2勢力は許されません、どちらかが退却するか全滅するかです。
神性介入カード
このゲームの味付けとなるお助けカードです。アクションとは別にプレイするタイミングが合えばいくらでもプレイできます。当然、強弱があるので、引き運にゲームが左右されるということになるのですが、このゲームのアブストラクトでないところはここだけなんですよね。
戦闘
戦争系のゲームではダイスを振ってというのが多いですね。それだと劣勢でも勝てるチャンスがありますし。このゲームでは駆け引きは大いに必要ですが戦闘に運要素はありません。つまり、戦力が豊富で駆け引きのうまいプレイヤーが勝つと。ちょっと厳しいですね。でも、戦機を見やすいのも確かです。
戦闘は10枚の戦闘カードを使って行います。カードには戦力値、攻撃値、防御値の3つのパラメーターが書かれており、全プレイヤー同じ内容です。
戦闘では毎回2枚使用し、1枚は捨てもう1枚で戦闘を1回だけ行います。このカードに戦闘時に使用可能な神性介入カードを付加してお互い伏せて出し、せーので表向けて優劣を決定します。
攻撃値は相手の兵隊を除去するパワーであり、防御値はそれを防ぐパワー。自分のカードの攻撃値マイナス相手のカードの防御値分、相手の兵隊を除去できます。逆も同じで、同時に解決します。
ですが、これは戦闘の勝敗とは別です。戦闘の勝敗は自分のカードの戦力値と相手のカードの戦力値の大小で決まります。ですので、相手の兵隊を全滅させたのに自側が敗北ということがざらに起きます。
勝利ポイントは、戦闘に勝利して自側の兵隊が生き残ることですから、そうなることを計算して戦に入ることが必要です。逆に防御側から見れば、戦力値で勝てそうにないなら相手を全滅させるように、全滅させるのが難しそうなら攻撃値は低くても戦力値の高いカードを使ってなど、相手の思惑を外すようにする必要があるでしょう。
また、戦闘後に戦闘カードは捨て札になり10枚使いきるまでは同じカードは再使用できません。ですからカウンティングしていけば、あいつもういい戦闘カード持っていないよなあ、という感じで戦機をとらえることもできるでしょう。
夜フェーズ
夜フェーズはクリーンナップです。
- ①ワーカーを戻す。
- ②アンクを2増加。
- ③神性介入カードを1枚獲得。
- ④パワーカード解決。(夜フェーズに兵力やリソースを増やすようなタイルがあります)
戦略とか
このゲーム神性介入カードで味付けがあるものの、殆どがアブストラクトであるため結構シビアではあります。特に、パワータイルはレベル2以上が1種類1枚しかないため、どれを狙って取るかが後々の戦闘に大いに影響してきます。
当然よっぽど資源(アンク)で差をつけていない限り、良いタイルばかり取れるわけではありませんので、如何に自分の戦略(防御的に行くか、攻撃的に行くかなど)に沿ったタイルを集めていくかが序中盤のキモになります。
中でもクリーチャーのパワータイルは戦闘の勝敗にもろに直結するパワーなので、優先的に取って行きたいところです。クリーチャーを連れての攻撃の方が、たとえ負けたにしろ絵になりますしね。クリーチャーを連れた部隊同士の対決はこのゲームの見せ場でもあります。
だが、神殿を支配して、勝利ポイントのパワーを取って、ピラミッドのレベルを4にしても、それは固定ポイントでこれ以上皆さん増やしようななくなってきます。
ここからがゲームの正念場。リスクを取ってなるべく敵の弱いところをついて戦闘で勝利ポイントを狙います。だが誰かが他プレイヤーを攻撃して勝っても、今度はそのプレイヤーに隙が出て他のプレイヤーが攻め、以下同順でだれが最後に笑うのかという展開になるかと。
クリーチャー達。結構精巧です。