ゲーム・オブ・スローンズの拡張です。基本ゲームと合わせてプレイします。
ゲーム・オブ・スローンズの原作のドラマは今最終シーズンを迎えていますが、ドラマでも最も鍵となっている「デナーリス・ターガリエン」がこの拡張の主役でしょう。マザー・オブ・ドラゴンズとは彼女のことですよね。
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【ボードゲーム紹介】ゲーム・オブ・スローンズ 緊迫した戦い
ジョージ・R・R・マーティンのファンタジー小説「氷と炎の歌(A Song of Ice and Fire)」の第一部の「七王国の玉座(A Game of Thrones)」をモチーフにした緊迫感たっぷりの戦争ゲーム A Game of Thrones を紹介します。
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- 発売年: 2018年
- プレイ人数: 3人~8人
- プレイ時間: 120分~240分
今回の拡張で2つの家が増え、全部で8家になりました。プレイ人数も8人まで拡大しています。
ちなみに、原作のゲーム・オブ・スローンズでは9家有ります。この拡張でも入っていないのはタリー家。とは言え、家が増える拡張は今後出そうもなさそうですね。
今回の拡張での追加機能
1.家の追加
アリン家とターガリエン家が追加になりました。
これに伴い、基本マップにアリン家の本拠地と「The Bite」が追加になり、拡張マップとしてターガリエン家の本拠地のEssosボードが追加になりました。
Essosボードはターガリエン家のプレイヤーがいないと使用されません。
〇アリン家
スターク家とバラシオン家の間に追加された本拠地「アリンの谷」から開始。アリンの谷自体は肥沃なエリアはあるが、他の家は要塞・城のエリアが本拠地や近傍で3エリアあるのに、アリン家は2エリアしかなく、なかなか拡張が難しい勢力と思われます。
〇ターガリエン家
Essos大陸で唯一の家であり敵が攻めてこなければ拡張は容易ですが、序盤はドラゴンは使い物にならないので、序盤に攻められると非常に辛いと思われます。
Essosボードの全ての海とWesterosボードの全ての海は互いに隣接している扱いなので、非常に攻めやすく守りにくい仕様になっています。
序盤は攻められないように海上戦力を強化して行くのが良いかと思います。
2.イベントⅣの追加
ターガリエン家が追加になったことにより、第4のイベントが追加になりました。
このイベントはターガリエン家に関係するイベントで、ターガリエン家のプレイヤーがいない場合は、使用されません。
3.ドラゴンユニット
ターガリエン家専用のユニットとしてドラゴンが追加になりました。
ドラゴンは最初から3体場に出ており、基本的に破壊されたら再召喚はできません。ゲームの開始時、強さが0ですが、ラウンドが進むにつれ強くなって行き最終的に5戦力になります。
また通常移動もできますが、空中移動も可能で、単独であれば結構色々なところに出現可能な強力なユニットとなっています。
4.家来システム
基本セットでは、プレイヤーが6人に満たない場合、使われなかった家のエリアには中立勢力が置かれてそれは、攻撃されたら戦闘になりますが、自分からは動くことはありませんでした。
この拡張では、ターガリエン家以外の7家のなかでプレイヤーが居ない家は、どれかのプレイヤーの家来になって、そのプレイヤーにより行動を決められます。
ターガリエン家は家来にはならず、プレイヤーが居ない場合は、Essosボードが使用されず、ユニットも出てきません。
但し、家来のアクションはプレイヤーの物よりは限られていて、以下の「防御+1/統治」「襲撃/支援+1」「防御+3」「進軍」の4種類です。
5.鉄の銀行
原作でも出てくる「鉄の銀行」がシステムとして入ります。
プレイヤーは、アクションで鉄の銀行から融資が受けられます。
兵隊も含めたリソースが欲しい時、リソースを貸してもらって使用できるようになります。とは言え毎ターン利子を払わなくてはならないので、ご利用は計画的に。
6.海のアクション
基本セットの15個のアクションタイルとは別に3個の海上でのみ実行可能なアクションタイルが追加になりました。
鉄の銀行への借金もこのタイルを使って行います。以下のように「鉄の銀行への融資依頼」「支援」「進軍-1」の3種類です。
ゲームの特長
ターガリエン家と他の家では勝利条件が異なります。
ターガリエン家以外は、要塞や都市のあるエリアを7カ所支配したら勝ちで、それを目指します。これは基本セットと同じ。
ターガリエン家は本拠地の1点以外は、忠誠マーカーがあるエリアの支配を得た時に、忠誠マーカーを得てそれが得点になります。
これによる点数は減ることがありません。
そのため支配を継続することは重要でなく、忠誠マーカーがあるエリアを狙って奪うことが主目的になります。
忠誠マーカーは、主に今回追加になったイベントⅣで、イベントで指定されたエリアに置かれます。
ターガリエン家は最初本拠地の1点から始めます。忠誠マーカーを6個集めれば、合計7点となり勝利出来ます。
家来の家は鉄の玉座の上位が使用します(家来の家が2つの場合、鉄の玉座の1位と2位が使用します)ので、強いところがより強くなる感じもありますが、順位のセリの時にこれを狙うことでより熱くなるでしょう。
鉄の銀行で、序盤などで兵力や補給量などの不足している資源を補ってより早期に体制を作ることができるようになりました。副作用も大きいですけど。
ゲームの感想
基本セットでは、前半は他プレイヤーと衝突しないぎりぎりのところまで支配エリアを広げてユニットを増強することに専念し、後半は皆が入り乱れて壮絶なバトルを行うという展開になりがちでした。
ターガリエン家が入ったことにより、ボードは更に緊迫感が増します。
通常なら要塞・都市が無くて終盤では重要性がなくなるエリアでも、忠誠マーカーが置かれることにより、防御ユニットを配備せねばならず、より悩ましい戦力展開が必要になってきます。
ターガリエン家にしてみれば、序盤はしっかり守り、終盤手薄なエリアを狙ってドラゴンと共に攻め入れば結構勝利点を稼げると思いますが、ラウンドは7ラウンドしかないので、勝利を掴むには何時攻勢に出るかが重要になってくるかと思います。