中世イングランドのランカスター王朝を舞台としたゲームです。
ランカスター家は西暦1400年代にイングランドを支配した王家であり、プレイヤーはイングランドの一領主になって、イングランド王ヘンリー5世の歓心を得ようとします。
自軍の騎士を色々な場所に派遣しアクションを行い、自軍の勢力を拡大して勝利点を競います。
騎士を増やしたり騎士のレベルを上げたり自分の城を強化したり貴族の指示を得たりして勢力を拡大していきます。フランスとの戦争に貢献したり、イングランド議会で自分に有利な法律を通して勝利点を増やしていきます。最終的に勢力のボーナス勝利点を得て勝者を決めます。
- 発売年:2011年
- プレイ人数:2人~5人
- プレイ時間:60分
ゲームの解説
まあ、ワーカープレイスメントの一種だと思います。このゲームでは騎士がワーカーになります。騎士の数だけ手番があるということですね。
騎士
騎士はランクにより強さが決まります。ランクは1~4で、最大でランク1は3体、ランク2は2体、ランク3,4はそれぞれ1体、合計7体の騎士が最大で利用可能です。
ゲーム開始時は、ランク1が1体ランク2が1体のみですので、ゲームの中で数を増やしたり、ランクを上げたりする必要があります。
騎士を増やしても給料などのペナルティはありませんので、なるべく数を増やしランクを上げるのがゲーム勝利への道です。
アクション
アクションのエリアは大別3種類。イングランドの各州と自分の城、そしてフランスとの戦争です。
騎士の配置と解決は同時ではなく、まず全プレイヤーが全ての騎士を配置します。
1ラウンドのフェーズとしては①騎士の配置②議会の召集③騎士の解決となり、騎士の配置と解決の間に議会が召集されます。
州でのアクション
このゲームのメインのアクションです。イングランドの州でのアクションは主に、騎士を増やすことランクを上げること、城を強化すること、貴族を城に呼ぶことです。
州における騎士は1体のみです。州により置ける騎士のランク制限があります。州では、騎士を置くときに従者コマを付けて置くことができます。これにより戦力を増やすことができます。
置けば占有が確定する訳ではなく、後からより大きな戦力で追い出すことができます。騎士+従者で戦力が上回れば先に置いた騎士はプールに戻ります。従者は戻らず無駄使いとなります。
城でのアクション
城でのアクションは、主に騎士を増やすことランクを上げることと資源(お金、従者、投票権)を得ることです。
城のアクションは弱いので、騎士を置いてやるのは、州に置けなくて仕方がない場合くらいなので、まあ負けルートですね。
但し、城を強化すると毎ラウンドそのアクションを自動でできるので、弱いアクションとは言えこれは有効です。特に騎士追加とランク上げはコストが大きい(従者コマが必要)とは言え、確実に出来るのでなるべく早く強化したいところです。
フランスとの戦争
参加した騎士コマの兵力合計がフランス以上であれば勝利し、兵力貢献度により勝利点が得られます。同じ兵力の場合後から行った方が貢献度が高くなるので、参入タイミングをうまく見計らう必要があります。
1ラウンド目で勝てないとそこに貼り付けになり、2ラウンド目でも勝てないと捕虜になって身代金を払う必要があります。
とは言え、負けても1レベル下がった貢献ポイントの勝利点が得られますので、とうてい勝てないと思っても兵力1くらいを置いたりするのもありです。早く置きすぎるとその後他プレイヤーが兵力1を置いて貢献が下位になり点数にならないこともありますが。
また、参戦すると早いも勝ちでボーナスタイルがもらえるのでそれを目当てに参戦するのもありです。特に騎士のレベルアップは州と違って競る必要が無いのでおいしいところです。
議会の召集
毎ラウンド新たな3個の法律を可決・否決します。可決されたものは新たな法律となります。法律は3個までなので、可決された場合場合古い法律が流れます。
法律と言っても具体的には条件を満たすプレイヤーが資源がもらえたり勝利点がもらえたりするものです。
騎士の配置と解決の間にこれがあるのがミソです。配置時にこのラウンドで決議される法律は分かっているので、その可否も予測しながら騎士を配置していく必要があります。
勝敗の決め方
ゲームは5ラウンドで終了します。最終的に、フランスとの戦争で得た勝利点や議会での勝利点などに加えて、騎士の数・ランクの値や、城の強化度合、貴族の支援度合の上位ボーナスを加えて勝者を決めます。
やってみて
大体、自分の城に引きこもっている以外は、他のプレイヤーとバッティングするので、ソロプレイ感は殆どないです。
逆に、他のプレイヤー同じところを狙っていそうだから多めに兵力を投入しないとまずいかなとか、ここは一旦少ない兵力を入れて相手の様子をみて反撃するかとか駆け引きに悩むことが多いかなと思います。そういう駆け引きとか、相手を出し抜いてやろうとか考えるのが好きな人には面白いゲームかと思います。
通常のワークプレイスメントゲームと異なり騎士を増やしてもペナルティはありません。手番を消費するデメリットだけです。
ですので、騎士の勢力を拡大すること、城を強化することが結局のところ勝利への近道です。まあ、皆さんがそう思うのでそこが競り合いになるわけですが。その意味では非常に分かり易いゲームかもしれません。
この中で、フランスへとの戦争への参戦はともかく、貴族の支援は罠っぽいですね。州の9カ所の貴族全員を城に招けば36点になるのですが、どうもそのコストと点数は見合ってないような気がします。